レンズとフレームがメガネに成るまで
午前中は快晴やったのに
夕方になって雲が増えてきたぞ
寒か~ないけど
気温は低め安定な感じかな
そんな今日の碧南
さてと、今日はレンズとフレームが
メガネになるまでの加工工程を披露しようか
お客さんからの注文のレンズが入荷したら
袋から取り出してレンズの表裏とも
油分を取り除く為にアルコールでサっと拭きます
この時にキズのチェックも同時にしておきます
次にレンズメーターと言う器械で
レンズの度数の確認とレンズ中心を出します
このレンズは
近視度数-1.50 乱視度数-0.75 乱視軸(角度)180度
乱視には装用者が必要とする角度があります
0度~180度の間で必要な角度に設定します
レンズをしっかり固定したら印点作業
(レンズの中心と乱視角度がズレないように印を付ける)
3つの点が無いと角度が狂ってしまいます
印点が出来たらキズ防止と乱視の軸ズレ防止に
保護シールを貼ります
最近のレンズは防汚・撥水コートが付いてるため
ツルツルでよく滑るんです
加工中に滑ると乱視の軸が狂うし
レンズの型も変になってしまいます
次に軸打器と言う器械でレンズの中心・乱視軸を
真ん中で水平に固定をしたら
加工機にセットする為の治具をレンズに貼り付けます
治具が付いたら加工機にセット出来ます
が、その前にフレームを加工機のトレーサーに
セットしてフレームのレンズ形状と寸法の
計測をしておきます
計測終了後に
加工に必要なデータ入力をしたら
いよいよレンズの加工開始となります
![](https://opt-wakou.com/wp-content/uploads/2016/10/加工工程-011-300x225-1.jpg)
レンズをセット
![](https://opt-wakou.com/wp-content/uploads/2016/10/加工工程-012-300x225-1.jpg)
レンズを測定中
![](https://opt-wakou.com/wp-content/uploads/2016/10/加工工程-013-225x300-1.jpg)
粗摺り中
![](https://opt-wakou.com/wp-content/uploads/2016/10/加工工程-015-300x225-1.jpg)
ヤゲン加工中
粗摺りでレンズの形を作ります
ヤゲンはレンズ側面に山立てをします
フレームにはヤゲンを受け止める溝があって
その溝にレンズのヤゲンが収まることで
レンズをフレームがホールドして外れないようになってます
![](https://opt-wakou.com/wp-content/uploads/2016/10/加工工程-011-300x225-1-1.jpg)
切削前
![](https://opt-wakou.com/wp-content/uploads/2016/10/加工工程-017-300x225-1.jpg)
切削後
加工機で削られたレンズを外して
キズ防止の為に水洗いで削りくずを洗い流して
次は装用者が怪我をしたり
レンズのコバが欠けたりしないように
面取り作業をレンズ表裏面ともやります
![](https://opt-wakou.com/wp-content/uploads/2016/10/加工工程-020-225x300-1.jpg)
裏面の面取り中
![](https://opt-wakou.com/wp-content/uploads/2016/10/加工工程-022-225x300-1.jpg)
表面の面取り中
さあ終盤です
レンズにはカーブが付いてますので
フレームのカーブと合うか確認します
カーブが合ってないとレンズに余分な
力がかかったり外れやすくなったりします
合ってない場合はフレームカーブを修正
これでレンズをフレームに入れる準備が完了
さて、レンズを固定する為にネジを締めますよ
あらまぁ~ ネジを締め込んだのに合わせの所に
スキ間が. . . . .
これはレンズサイズがまだ大きすぎる状態
ほ~らね、レンズに力がかかり過ぎて歪みが
バンバンに出てます これでは全然ダメダメ!!
なら、どうするか?
手摺りでサイズ調整をするんです
この時もレンズ中心や乱視軸に狂いが
生じないように慎重に慎重に削ります
この手摺りは長年の経験と技です
サイズ調整はフレームに入れて歪みチェックしながら
進めます
大き過ぎたら外して手摺り フレームに入れて歪みチェックの
繰り返しの作業です
手摺りの度に面取り作業もやります
最終的に出来上がりがこの状態 ↓
これが右レンズを加工した過程
当然左レンズも同じように加工をします
1本のメガネが出来る上がるまでには
大変な知識と技術が織り込まれています
知識も技術も簡単に身に付くものではありません
基礎学習があって、実務経験を積むことによって
少しづつ身に付くものです
まともな考え方を持った眼鏡技術者は
年齢に関係なく日々、勉強をする努力をしてます
その結果がお客さんのメガネに表れるのです
見えるだけのメガネなら自動検眼器を使えば
そこそこの度数は出せますし
加工は機械任せにしとけば
ほどほどの出来上がりになるでしょう
でもそこまでのメガネです
本当の眼鏡技術者が追い求めているのは
掛けていることを忘れるぐらい快適なメガネであり
眼や眼筋(眼を動かす筋肉)に負担をかけない
メガネを作ることです!
いかんいかん愚痴っぽくなってきたので
この辺で止めておきます
皆さんが良いメガネと出会えますように
*本日は関西弁を封印してみました(^^)