レンズとフレームがメガネに成るまで

午前中は快晴やったのに

夕方になって雲が増えてきたぞ

寒か~ないけど

気温は低め安定な感じかな

そんな今日の碧南

さてと、今日はレンズとフレームが

メガネになるまでの加工工程を披露しようか

お客さんからの注文のレンズが入荷したら

袋から取り出してレンズの表裏とも

油分を取り除く為にアルコールでサっと拭きます

この時にキズのチェックも同時にしておきます

次にレンズメーターと言う器械で

レンズの度数の確認とレンズ中心を出します

このレンズは

近視度数-1.50 乱視度数-0.75 乱視軸(角度)180度

乱視には装用者が必要とする角度があります

0度~180度の間で必要な角度に設定します

レンズをしっかり固定したら印点作業

(レンズの中心と乱視角度がズレないように印を付ける)

3つの点が無いと角度が狂ってしまいます

印点が出来たらキズ防止と乱視の軸ズレ防止に

保護シールを貼ります

最近のレンズは防汚・撥水コートが付いてるため

ツルツルでよく滑るんです

加工中に滑ると乱視の軸が狂うし

レンズの型も変になってしまいます

次に軸打器と言う器械でレンズの中心・乱視軸を

真ん中で水平に固定をしたら

加工機にセットする為の治具をレンズに貼り付けます

治具が付いたら加工機にセット出来ます

が、その前にフレームを加工機のトレーサーに

セットしてフレームのレンズ形状と寸法の

計測をしておきます

計測終了後に

加工に必要なデータ入力をしたら

いよいよレンズの加工開始となります

レンズをセット

レンズを測定中

粗摺り中

ヤゲン加工中

粗摺りでレンズの形を作ります

ヤゲンはレンズ側面に山立てをします

フレームにはヤゲンを受け止める溝があって

その溝にレンズのヤゲンが収まることで

レンズをフレームがホールドして外れないようになってます

切削前

切削後

加工機で削られたレンズを外して

キズ防止の為に水洗いで削りくずを洗い流して

次は装用者が怪我をしたり

レンズのコバが欠けたりしないように

面取り作業をレンズ表裏面ともやります

裏面の面取り中

表面の面取り中

さあ終盤です

レンズにはカーブが付いてますので

フレームのカーブと合うか確認します

カーブが合ってないとレンズに余分な

力がかかったり外れやすくなったりします

合ってない場合はフレームカーブを修正

これでレンズをフレームに入れる準備が完了

さて、レンズを固定する為にネジを締めますよ

あらまぁ~ ネジを締め込んだのに合わせの所に

スキ間が.  .  .  .  .

これはレンズサイズがまだ大きすぎる状態

ほ~らね、レンズに力がかかり過ぎて歪みが

バンバンに出てます これでは全然ダメダメ!!

なら、どうするか?

手摺りでサイズ調整をするんです

この時もレンズ中心や乱視軸に狂いが

生じないように慎重に慎重に削ります

この手摺りは長年の経験と技です

サイズ調整はフレームに入れて歪みチェックしながら

進めます

大き過ぎたら外して手摺り フレームに入れて歪みチェックの

繰り返しの作業です

手摺りの度に面取り作業もやります

最終的に出来上がりがこの状態 ↓

これが右レンズを加工した過程

当然左レンズも同じように加工をします

1本のメガネが出来る上がるまでには

大変な知識と技術が織り込まれています

知識も技術も簡単に身に付くものではありません

基礎学習があって、実務経験を積むことによって

少しづつ身に付くものです

まともな考え方を持った眼鏡技術者は

年齢に関係なく日々、勉強をする努力をしてます

その結果がお客さんのメガネに表れるのです

見えるだけのメガネなら自動検眼器を使えば

そこそこの度数は出せますし

加工は機械任せにしとけば

ほどほどの出来上がりになるでしょう

でもそこまでのメガネです

本当の眼鏡技術者が追い求めているのは

掛けていることを忘れるぐらい快適なメガネであり

眼や眼筋(眼を動かす筋肉)に負担をかけない

メガネを作ることです!

いかんいかん愚痴っぽくなってきたので

この辺で止めておきます

皆さんが良いメガネと出会えますように

*本日は関西弁を封印してみました(^^)